音小屋
鹿野 淳による音楽ジャーナリスト養成学校「音小屋」
8~9月期は、夏期講習として4名の講師陣による4つのプログラムを開講します。
音楽ジャーナリスト、コンサート・プロモーター、音楽の新しい聴き方、音楽メディア全般――
音楽にまつわる「本当のこと」を学びに来てください

2年目の音小屋の夏は、今までにない新しい試みに打って出ます。
今までは校長である僕鹿野が1人ですべてを手掛ける学校だった音小屋で、初めて他の講師を迎え、それぞれにクラスを持って頂き、特別な夏期講習を開いてもらいます。勿論、僕も1クラス担当します。
内容は下記にある通り、音楽メディアとして別々の項目に分かれています。それぞれの講師は僕が全幅の信頼をおかせてもらっている方々で、過去にも教鞭を振るった事のある方ばかりです。
具体的に「イベント」「ライター」「新しい音楽ツール」というみんながその裏側や詳しい事を知りたいテーマの奥の奥を、それぞれ6回の中でたっぷりとレクチャーしてもらいます。
所謂専門学校のメディア科とは違う、「近い」関係の中であなたが知りたい事、目指したい事にまっすぐ向かってゆくいい機会になればと思い、このような試みをやってみます。それぞれの講師は音楽メディアの最前線にいる方ばかりです。とびっきりの現場感覚を味わえると思います。
今回の企画は、あくまでも夏期講習としての特別なものですが、これが新たな音小屋の可能性と武器になることを願って開講します。是非、興味のある講座を見つけ、参加してください。待ってます。

鹿野 淳

【講義プラン】

――2013年夏期講習・各授業日程&詳細――

◆「音楽ジャーナリズム、一から十まで」
 講師:小野島 大(音楽ジャーナリスト)

音楽ジャーナリスト、音楽ライターになるためのノウハウに特化した講座です。

~開催日程~(全6回) 8月6日(火)/8月20日(火)/8月27日(火)/9月3日(火)/9月10日(火)/9月17日(火)
※時間は全日程、20時~22時。各授業約2時間。

小野島 大によるコメント

「音楽評論家の小野島大です。「評論家」でも「ライター」でも「ジャーナリスト」でもなんでもいいんですが、要は「音楽についての文章を書く」ことを職業にしています。いつも寄稿させてもらっている『MUSICA』発行人の鹿野さんから声をかけていただき、8月から2ヶ月間、合計6回だけと短い間ですが、「音小屋」の講習を手伝わせていただくことになりました。私がフリーランスの音楽文筆業として培ってきた経験や知識、ノウハウなどを、みなさんと共有できればと思っています。
 私は96年から2009年の間、都内のカルチャー・スクールで「音楽ライター養成講座」というカリキュラムの講師を務めていました。その講座が始まった時、レコード産業は売り上げのピークを迎えていました。しかしそれから長い年月がたち、状況は一変しました。CDの売り上げ激減が囁かれ、音楽ライターの主戦場であったはずの音楽専門誌の数は全盛期の数分の一以下に減っています。音楽業界も出版業界も青息吐息の中、職業としての音楽ライターを目指す人にとっては、厳しい状況と言えるでしょう。
 しかし「音楽ライター的なもの」への需要がなくなったわけではありません。ネット上にありとあらゆる音楽・情報が溢れかえっていて誰でも等しくアクセスできる現在だからこそ、その道案内役としての「リコメンド」の重要性がさらに高まっているのです。
 そして自分が音楽を聴いて心を揺さぶられた、その感動を誰かと共有したいと望む気持ちは、音楽ファンとして自然なことでしょう。気の合う友だちと、好きな音楽について時がたつのも忘れ語り合った経験は、誰でもあるのではないでしょうか。そしてその感情を的確に文章化し、然るべき場所に発表できれば、どこかにいる見も知らぬ人たちと、気持ちを通じ合わせることもできるのです。本来言語化できないはずの音楽を文章にする醍醐味とは、それです。
 音楽ファンとしての感動を、その源泉を言葉に表したいという気持ちと、それを職業とすること。両者を一致させるのは容易なことではありませんが、不可能ではありません。そして以前と違って、(たとえすぐにそれがマネタイズに結びつかないとしても)自分の文章を広く世間一般に知らしめるための方法はいくつもあります。そのために何をすればいいのか。一緒に考えていきましょう」


◆「本当のコンサート・プロモーターになるために」
 講師:河津知典(DISK GARAGE所属)

コンサート業務の裏側や、イベントやフェスのプロデュースをするまでの諸々をレクチャーします。

~開催日程~(全6回) 8月7日(水)/8月14日(水)/8月21日(水)/8月28日(水)/9月4日(水)/9月11日(水)
※時間は全日程、20時~22時。各授業約2時間。

河津知典によるコメント

「はじめまして。コンサート・プロモーター「ディスクガレージ」の河津と申します。
ちょっと音楽業界に興味がある方なら、「CDが売れなくなって、どうやらライヴ業界が儲かってるらしい」という話をここ数年、よく耳にすると思います。
果たして本当にそうなのでしょうか? 本当の事を知りたくありませんか?
そもそも、プロダクションやレコード会社のことは知ってるけど、コンサート・プロモーターって何やる会社なのよ?と思っている方も多いと思います。
業務内容もですが、アーティストや携わっているスタッフとの距離感など、コンサート業界目線ならではの音楽業界の裏側を、皆さんと検証していけたらなぁと思ってます!
僕が働いてるディスクガレージという会社は、年間約2000本のライヴ・コンサート・フェスを企画制作している会社です。毎日行われているライヴの中で、起こっているあれやこれやもお話しさせて頂く予定です。この業界に入りたい人、興味がある人への入門編になればと思ってます。
あとは、アーティストとサッカーとの関係についてのお話でしょうか。。。(笑)
夏期講習、宜しくお願い致します!」


◆「音楽の新しい聴き方、接し方、楽しみ方」 
講師:柴 那典(音楽ジャーナリスト)

音楽を聴くことの過渡期にあたって、音楽とどう触れ合うべきなのか?CD以降の具体的な音楽ツールを紹介し、その可能性を探ります。

8月9日(金)/8月23日(金)/8月30日(金)/9月6日(金)/9月13日(金)/9月27日(金)
※時間は全日程、20時~22時。各授業約2時間。

柴 那典によるコメント

「時代はどんどん変わっていくし、テクノロジーはどんどん発達していく。『CDが売れない』と嘆いていれば事足りた時代はとっくに過ぎ去ったと、僕は思ってます。2013年の今は、これまでの数年に生み出された新しいサービスやプラットフォームが定着し、そこで育った文化が花開いてきたような状況。パッケージとダウンロードだけじゃなく、「聴き放題」のストリーミング配信や、オンラインラジオなど、新しい音楽サービスも次々と生まれています。AppleやGoogle、Twitterなどの世界的なIT企業がそれに乗り出しています。
 そんな中、ずっと変わらない一つの軸は何か。それは『音楽はコミュニケーションそのものだ』ということだと、僕は考えています。そして、それがビジネスになってきたということ。そうやって見れば、決して音楽をめぐる状況の先行きは暗くなく、まだまだ沢山の可能性が眠っていると思います。
 ディテールはこれから詰めますが、一つ決めているのは、未来の話をみなさんとしようということ。だから正解はないし、これまで培ったノウハウをただ伝えるような授業にはならないと思います。音楽のこれから、そして『音楽メディア』のこれからについて、素敵な考えを持ち寄りましょう」


  

◆「音楽メディア、世界一周」 
講師:鹿野 淳(MUSICA発行人、音小屋主宰)

音小屋校長である鹿野が、雑誌、ラジオ、テレビ、SNS、フェスプロデュースなどを、どうメディアとして位置づけながら活動しているのか? その世界観を実習と共に一周してもらいます

8月8日(木)/8月22日(木)/8月29日(木)/9月5日(木)/9月12日(木)/9月19日(木)
※時間は全日程、20時~22時。各授業約2時間。


鹿野 淳によるコメント

元祖音小屋の鹿野です。
 今回は上記のように、夏期講習として特別に僕以外の3人の音楽業界のキーマンによる講座を開講しますが、僕も隠居するわけではありません。
 「取材」「ライティング」「フェスプロデュース」「ネットと音楽」「音楽を何らかのメディアに編集する」「音楽を歌い鳴らす人を支えるいろいろな仕事」――これら6つのテーマを、前半はディスカッション&実習、後半はレクチャーという形で進めて行き、自分がどう音楽メディアという仕事や役割と向かい合って行けばいいのか?をそれぞれに考えてもらったり、感じてもらいたいと思います。
 この夏、自分の今と明日を位置づける大切な時を、一緒に過ごしましょう!

講師プロフィール

■小野島 大
音楽評論家。9年間のサラリーマン生活、音楽ミニコミ編集を経てフリーに。『MUSICA』『MUSIC MAGAZINE』『ROCKIN'ON』『ROCKIN'ON JAPAN』『週刊SPA』『ナタリー』などのほか、新聞雑誌、各WEB媒体などに執筆。著書に『ロックがわかる超名盤100』(音楽之友社)『NEWSWAVEと、その時代』(エイベックス)『音楽配信はどこへ向かう?』(インプレス)、編共著に『フィッシュマンズ全書』(小学館)『Disc Guide Series UK NEW WAVE』(シンコーミュージック)など多数。1996年から2009年まで、西武百貨店池袋コミュニティ・カレッジにて『音楽ライター養成講座』の講師をつとめる。音楽ライター指南本『音楽ライター養成講座』(音楽之友社・絶版)も執筆。酒・野球・猫・ガジェット好き。
FaceBook:dai.onojima/Twitter: @dai_onojima

■河津知典
1975年宮城県生まれ、大阪府育ち。大阪音楽大学短期大学部卒業。98年に株式会社DISK GARAGE入社後、主にコンサートの企画制作を行う。フリー野外イベント「蓮沼」の企画制作や、音小屋四期イベント科によるロックフェス「音小屋の灯」などにも携わりながら、音楽業界人によるフットサル大会「音蹴杯」や、7月に日産スタジアムにて英サッカークラブ マンチェスターUと横浜FMが対戦するプレシーズンマッチなど、幅広くイベントを企画。さらには、さめざめの音源制作や、3ピースガールズバンドSHISHAMOのマネージャー業なども行っている。Facebook:/tomonori.kawazuTwitter: @kawabrick

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。京都大学総合人間学部卒業後、99年株式会社ロッキング・オン入社。『ROCKIN’ ON JAPAN』『BUZZ』『rockin’on』の編集に携わる。04年、ロッキング・オン退職後にフリーのライター/編集者として独立。雑誌、WEB、モバイルなど各方面にて編集とライティングを担当し、音楽やカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー・記事執筆を手掛ける。主な執筆媒体は『MUSICA』、『ナタリー』、『nexus』、『CINRA』、『papyrus』、『MARQUEE』、『CDジャーナル』、『サイゾー』、『ウレぴあ』など。Facebook:shiba710/Twitter:@shiba710


■鹿野 淳
1964年東京生まれ。明治大学卒業後、89年に扶桑社入社。翌90年に株式会社ロッキング・オン入社し、98年より音楽専門誌『BUZZ』、『ROCKIN'ON JAPAN』の編集長を歴任。04年にロッキング・オン退社後、株式会社FACTを設立。07年には月刊音楽専門誌『MUSICA』を創刊。イベント面でも「ROCK IN JAPAN FES.」に立ち上げメンバーとして構想段階から関わり、企画/オーガナイズ/ブッキングに尽力した。さらに、03 年には「COUNTDOWN JAPAN 03/04」を立ち上げ、10年から12年にかけては、東京初の総合フェス「ROCKS TOKYO」をオーガナイズ。TV・ラジオ・WEBなどでも多方面の媒体に出演し、音楽ジャーナリズムを自由に展開している。 Facebook:atsushi.shikano/Twitter: @sikappe

 

受講料(各授業共通)

24,000円(税込)※各講座それぞれの6回分の授業料です

会場(各授業共通)

株式会社FACT会議室(東京都世田谷区北沢2-14-16 北沢プラザビル4F)

参加資格(各授業共通)

高校2年生(15歳)以上の方

持ち物(各授業共通)

筆記用具、受講料 ※ブログやツイッターでの掲載等、2次使用されなければ小型の録音機材の持ち込みも可能です

定員(各授業共通)

12名 (定員を超過した場合、選考をさせていただく場合がございます)

応募締め切り(各授業共通)

※募集は締め切りました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

選考通知日程

7月下旬までに選考結果を通知します。それまでに合否の通知が届かない場合は、お手数ですが音小屋のメールアドレスotokoya@fact-mag.comにその旨をご連絡ください。

応募方法(各授業共通)

※エントリーシートに、講師名を明記して下さい。

下のボタンよりエントリーシート(Excel版 or PDF版)をダウンロードしてくださ い。 データ又はプリントアウトした紙に記入後、メール又は郵送にてご送付ください。

●初めて応募される方
こちらのメール(otokoya@fact-mag.com) まで添付にてご送付ください。
件名は「音小屋応募」としてください。

●2回目の応募となる方(※第一期、第二期、第三期、第四期、第五期に応募された方)
第一期、第二期、第三期、第四期、第五期にご応募いただいた方は、メールの件名を「音小屋応募:再」としてください。エントリーシートが今回から変更になりましたので、改めてエントリーシートをご送付ください。

●郵送での応募
下記住所まで、エントリーシートを封書にてお送りください。

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-14-16北沢プラザビル4F
株式会社FACT 「音小屋」係 宛

エントリーシートをダウンロード エントリーシートをダウンロード